2002/9/27 Joshua Blochさんとの歓談会の様子

[ 戻る ]


高橋(徹)です。

やっと歓談会の様子が書けました。
他にこんな話題があった、などと追加していただけると幸いです。
間違いがあれば指摘ください。

写真は、読書会のWebページにありますのでそちらをご覧下さい。

■Joshuaさんとの歓談会

 インターネット協会Java研究部会のJava読書会BOFでは、2002年5月か
ら10月にかけて月1回のペースで「Effective Java」を読む会を開催し
ていました。同本の訳者である柴田さんも1回参加いただき、その際、
著者のJoshua Bloch氏が9月に日本で開催されるJavaOneに、やって来る
ことを知りました。柴田さんはあらかじめJoshuaさんに日本で
「Effective Java」を読んでいる読書会があることを紹介してくれてい
ました。そこで、JavaOneでJoshuaさんに接触を図り、読書会メンバー
と歓談を行うことになりました。

□どんな人
Joshua Blochさん
 Sunのシニア・スタッフ・エンジニア。
 コアJavaプラットフォーム・グループの設計者。Effective Javaの著
者であり、Javaコレクション・フレームワークAPI、java.mathほかの設
計・実装を手がけた。Sunの前には、トランザーク社でEncinaの分散トラ
ンザクション処理などを担当。カーネギーメロン大学のコンピュータ科
学の博士号を持つ。

Neal Gafterさん
 Sunのスタッフ・エンジニア。
 Javaコンパイラとツール(javac/javadoc/javah/javap)の開発者。
Tiger(J2SE1.5)に導入予定のGenericsのプロトタイプJavaコンパイラも
開発している。その前は、C++コンパイラ部門にいた。コンパイラ分野
に長年携ってきた。ロチェスター大学のコンピュータ科学の博士号を持
つ。

□集合
 JavaOne最終日は最終セッションが19:00に終了するので、19:30にイ
ンターコンチネンタル・ホテル横浜のロビーで待ち合わせました。
JavaOne会場にあるホテルです。今回、Effective Javaの著者である
Joshua Bloch氏と、同僚のNeal Gafter氏の2名が参加してくれることに
なっています。
 JavaOne会場の受付で参加メンバ(伊藤さん、門脇さん、前橋さん、
村山さん、高橋(智)さん)と落ち合い、ロビーへ向いました。ロビー
には、JavaOneで見かけたSunのエンジニアが何名かおりました。おそら
く打ち上げ等に向うのでしょう。ここで根本さんと合流。携帯にメール
で遅れて8時頃来ると1通あったので、誰だか分からないが(向こうも携
帯メールだったら名前を本文に書かないと誰からか分からない)、とり
あえずお店が決まったらメールをだせばよいでしょう。しばらくの後、
ロビーの片隅にJoshuaさんとNealさんが来ているのに気がつきました。
近寄って声をかけました。「夕食を食べたか?」と聞いたら、「未だ」
との事でした。「何か特に食べたいものがあるか?」とたずねたら、
「Japanese food! Sushi」との回答でした。そこで我々は寿司屋さんへ
向かうことにしました。クイーンズスクエアに何軒か寿司があったので、
ぞろぞろと向かいました。途中、日本は過ごしやすい気候だ、とJoshua
さんが言っていたので、9月も前半は30度を超える暑さで湿度も高いと
話したら、ニューヨークに住んだことがあるので分かると言っていまし
た。こちらが湿度で"wet"と表現したら"humidity"と返ってきました。
使う単語も理系だなと思った場面でした。

□寿司屋にて
 クイーンズスクエアの中の寿司屋さんに入りました。この時点で9人、
8人がけにちょっと詰めて座りました。飲物を選ぶ際、Joshuaさんが日
本酒通であることを発見。日本酒の銘柄をいくつも知っていたのです。
飲物を注文後、こんどは食べ物を選びますが、ここでもJoshuaさんが寿
司ネタに詳しいことを発見。サザエも知っていました。握りonlyの人と、
握りとおつまみのコースと各自の好みで注文しました。

□自己紹介
 乾杯後、Java読書会の簡単な紹介をしました。といっても難しい内容
は英語で説明することができないので、月1回のペースで実施している
こと、今6冊目であること、過去読んだ本の紹介、について述べました。
この後、Joshuaさんから順番に自己紹介を全員していきました。以下、
記憶に残っている話題をメモします。
 智宏さんの自己紹介のとき、ボーランドのJavaコンパイラについて
Nealさんと盛り上がっていた様子だけど、内容がよく取れませんでした。
Nealさんのマシンには、OSがたくさん載っているようですが、JDKのツ
ール類の検証のためでしょうか。
 村山さんの自己紹介のとき、村山さんがJVMをやっていると聞いた
NealさんからJavaプログラミング・パズラー問題が出されました。簡単
なJavaソースを示され、これをJavaVMのインストラクションに変換する
というものです。昔でいうとハンドアセンブルですね。問題は2次元配
列に関するものです。 
 前橋さんの自己紹介のとき、前橋さんが書籍をいくつか書いていると
聞いたJoshuaさんからどんな本かけっこう突っ込みを入れられました。

 自己紹介の途中、山本さんが登場。また、携帯に「Effective Java」
翻訳者の柴田さんからメッセージが入ってきたので自己紹介の最後に紹
介しました。

□話題になったこと

 当日歓談の中で話題になったことをメモします。英語ベースで歓談が
行われたので、内容の正確さについては保証の限りではありません。
* JavaDoc形式のコメントで、記述の抜け(ex. 引数のあるメソッドの
コメント中に@paramが書かれていない)を検出できるか?
  → DocCheckというツールがあるので、使ってみてはどうか
* Typesafe enumが複数クラスローダで成立しない件があったがどうか?
  → クラスローダが異なる場合は名前空間が異なるようなものなので
問題ないはず。
* Java Isolation APIと関わりあるか?
  → Isolation APIは、同一VMで複数のアプリを実行する。システムク
ラスのstaticフィールド、例えばSystem.outが別々になるようにする。
* Sunのコーディング規約って使われているの?
  → "is gone"。現状メンテナンスされていないし使われていない。
* フィールドの初期値が例え言語仕様で規定されている値と同じでも明
示的に記述することはよいこと。
* リソースバンドルでプロパティファイルをISO-8859-1以外で記述して
いる場合、native2asciiしなくてはならない。
  → "Tiger"(J2SE 1.5)で対応する予定。これは長年強く要望されてい
ること。
  → Preference APIはエンコード大丈夫なはず。
* JoshuaさんはEmacs使いであった。
* Double Check Idiomについて
* JSR-176 "Tiger Release Contents"にはConcurrent Utilityパッケー
ジが記載されていないけどどうなるのでしょうか?
→ Joshuaさんも検討に参加しているので、入れていくよ、とのこと。 


※なお、本内容と僕が参加したJavaOneの模様は以下のURLに
メモを書いています。
http://www.02.246.ne.jp/~torutk/javaone/javaone2002jp.html

---
Toru TAKAHASHI


[ 戻る ]